令和4年2月16日(水)、茨城県社会福祉協議会の主催により、令和3年度「ボランティア・市民活動フェスティバル」を、Web会議システムZoomでオンライン開催しました。
1.「ボランティア・市民活動フェスティバル」の概要
(1)「ボランティア・市民活動フェスティバル」とは
「ボランティア・市民活動フェスティバル」は、県民の福祉意識を高め、県内におけるボランティア活動・市民活動の振興を図ることを目的として、茨城県社会福祉協議会が不定期に開催しているイベントです。
毎年のように全国各地で大規模災害が発生し、被災者の一日も早い生活再建に必要となる「災害ボランティア」の力がより重要度を増す昨今にあって、しかしコロナ禍により災害ボランティア活動は制限され、依然として収束の兆しが見えない状況が続いています。
そのため、今回は「災害ボランティア活動」をテーマとして、「ボランティア・市民活動フェスティバル」を開催しました。「コロナ禍でもできることを!オール茨城での災害時支援活動」と題して、コロナ禍の災害における被災者支援活動の事例を学び、今後起こりうる災害に備えて県民が共に考える場となるイベントです。
(2)今回のイベント概要
◎イベントタイトル
令和3年度ボランティア・市民活動フェスティバル
~コロナ禍でも出来ることを! オール茨城での災害支援活動~
◎プログラム
〇 報告「茨城県社会福祉協議会における災害時に備えた取り組み」
報告者:茨城県社会福祉協議会 福祉のまちづくり推進部 主任 栗田和宗氏
〇 基調講演「離れていてもできる! ICTツールを活用した災害VC運営」
講師:サイボウズ株式会社 災害支援チームリーダー 柴田哲史氏
〇 シンポジウム「コロナ禍でもつながる!地域一体となって行う災害時の支援活動」
(コーディネーター)
・災害ボランティア活動支援プロジェクト会議委員
茨城県社会福祉協議会防災活動アドバイザー 米澤智秀氏
(報告者)
・八代市社会福祉協議会 事務局長 松本博昭氏
・広島市安佐南区山本学区社会福祉協議会 会長 小堀昭男氏
・いばらきコープ生活協同組合 執行役員 政策・CSR推進室長 松尾掌氏
2.開催の様子
今回の「ボランティア・市民活動フェスティバル」は、開催時期が本県における新型コロナウイルス感染症の「まん延防止等重点措置」対象期間と重なってしまいました。そのため、Web会議システムZoomを活用してのオンライン開催となりましたが、県内における災害ボランティア活動・市民活動を実践者している団体や個人の方々、災害ボランティア活動に興味のある方々、県及び市町村行政の職員、県内の社会福祉協議会の職員など、様々な立場の皆さまにご参加いただきました。
○報告:「茨城県社会福祉協議会における災害時に備えた取り組み」
【報告者】
茨城県社会福祉協議会
福祉のまちづくり推進部 主任
栗田 和宗 氏
茨城県社会福祉協議会の栗田和宗氏からは、茨城県社会福祉協議会の災害発生に備えた取り組みについて報告がありました。
県内の災害支援を考える上で、「令和元年東日本台風」と「新型コロナウイルスの感染拡大」は大きな出来事であり、県外からの支援が困難な状況に対応するため、茨城県内の災害支援力の強化、オール茨城での支援体制作りを進めたことや、現在の構築状況について講話をいただきました。
○基調講演:「離れていてもできる!ICTツールを活用した災害VC運営」
【講師】
サイボウズ株式会社
災害支援チームリーダー
柴田 哲史 氏
茨城県・茨城県社会福祉協議会では、サイボウズ株式会社の協力のもと、「いばらき型災害ボランティアセンター運営支援システム」(通称:IVOS)を構築し、令和3年10月から稼働を開始しています。
サイボウズの柴田哲史氏からは、新型コロナウイルス感染症がまん延する中での、災害ボランティアセンターにおけるICTの活用状況について報告がありました。ICT導入により、3密を避ける環境づくりや、災害ボランティアセンターでの事務作業軽減につながり、災害ボランティアセンターのスタッフが被災者により添える時間が増えた、との講話をいただきました。
○シンポジウム:「コロナ禍でもつながる!地域一体となって行う災害時の支援活動」
【コーディネーター】
災害ボランティア活動支援プロジェクト会議委員
茨城県社会福祉協議会防災活動アドバイザー
米沢 智秀 氏
【報告者1】
八代市社会福祉協議会 事務局長
松本 博昭 氏
【報告者2】
広島市安佐南区山本学区社会福祉協議会 会長
小堀 昭男 氏
【報告者3】
いばらきコープ生活協同組合 執行役員
政策・CSR推進室長
松尾 掌 氏
シンポジウムでは、各報告者から、それぞれの地域での災害支援活動について報告いただいた後、意見交換が行われました。
八代市社会福祉協議会の松本博昭氏からは、自組織だけで支援を考えると支援の範囲が狭くなること、多くの団体が連携することで支援の幅が広がって、より被災者支援につながること等について、八代市の活動を踏まえ報告がありました。
広島市安佐南区山本学区社会福祉協議会の小堀昭男氏からは、災害発生時からの地域の取り組みについて、時系列に沿ったお話しがあり、様々なスタッフが集まったことが支援の充実につながったと報告がありました。
いばらきコープ生活協同組合の松尾掌氏からは、普段から地域を方々の生活を支える生活協同組合の取り組みが、常総市の水害等においてどのように支援につながったかについて報告がありました。
コーディネーターを務めたのは、茨城県社会福祉協議会防災活動アドバイザーの米澤智秀氏。各報告を踏まえ、災害支援における協働の重要性、また被災された方々の視点に立つことの重要性についてお話をいただきました。